院長ブログ

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社交不安障害

「社交不安障害」という疾患があります。一般的にはあまり知られていませんが、意外と多いです。

大勢の人の前でスピーチや発表をするときに緊張してドキドキすることは誰にでもありえますが、「社交不安障害」はそのような場面で著しい緊張・不安を感じ、動機・発汗・ふるえといった症状が出現し、とても苦しい状況になります。このような状況を避けようとするために社会生活に支障を来してしまうことがあります。

具体的には、例えば次のような症状があります。
●人前で話したり、自分が注目される場面で極度に緊張し、強い不安を感じる。
●人前で字を書くときに手が震える。
●初対面の人と話すとき、緊張して声が震える。
●多くの人と一緒に食事をするとき、緊張して発言できない。
●誰かが見ている前で電話をするのがとても恥ずかしい。
●教室や会議など、たくさん人がいる所にいたくない。

これは、恥ずかしがり屋といった性格の問題だけではありません。

社交不安障害は、脳内のセロトニンという神経伝達物質のバランスが崩れてしまうことが原因で過剰に不安を感じてしまうのではないかとと考えられています。

治療にはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や抗不安薬を用いて、極度の不安・緊張を軽減するようにしていきます。