院長ブログ

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パニック障害

突然、激しい不安・恐怖感に襲われ、動悸・息切れ・めまいなどが生じる発作を「パニック発作」といいます。このような発作を繰り返すのが「パニック障害」です。稀な疾患ではなく、100人中1~2人にみられます。

「パニック発作」では次のような症状がみられます。
▶このまま死ぬのではないかという強い不安・恐怖感
▶息苦しい、呼吸が速くなる
▶胸がドキドキする
▶めまい・ふらつき・吐き気
▶冷感・熱感・ほてり・発汗
▶手足のしびれ・ふるえ
▶血の気が引くような感覚・現実的でない感覚 など

動悸や息苦しさのため、心電図やレントゲンなど内科的な検査をしても特に異常はみられません。

パニック発作を繰り返していると、「また発作が起きるのではないか」「外出先で発作が起きたらどうしよう」という不安(予期不安)を持つようになります。そして、以前発作が起きた場所や状況を避けるようになります。車の運転ができなくなる人も多く、特に高速道路、トンネル、橋などが怖くなることがあります。
そのため日常生活に支障をきたすようになり、ゆううつな気分が続くこともあります。

パニック障害を克服するためには、まずはこの病気のことをよく理解することが大切です。パニック発作は気の持ちようで起こるのではなく、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることで起こると考えられています。パニック発作が起きても、そのために死ぬことはありません。1回の発作は数分程度で必ず治まります。

パニック発作を抑えるためには、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というタイプの抗うつ薬を用います。抗不安薬を使うこともあります。
パニック発作が起こらなくなってくると、「また発作が起きるのではないか」という不安が薄れていきます。そして少しずつ安心して日常生活を送れるようになります。
きちんと治療すれば改善できます。